たくさんのママが子育て方、教育法に関する本を出しているけれど、
科学的な根拠に基づく子育て方はないのかしら?
✔子どもを賢く育てたい
✔科学的根拠がある内容がよい
✔わが子の勉強の伸ばし方を知りたい
✔子育て心理学を知りたい
はじめに本の紹介
オススメ:0歳~小学生のパパママ
「シングルケース」は参考にならない。と著者の植木先生は述べています。
ある家庭では、こんなユニークな子育てをしている。
ある家庭では、こんな教育法で子どもを有名大学に進学させた。
でもこれは、家庭環境や子どもの性質によっても変わってきます。
私は子育て本・教育本を数多く読んでいますが、本によっては、著者の子どもの基本的な性格が、わが子と違いすぎて参考になりにくいなと思うものもありました。
この本では科学に基づいた子育て方法が書かれているので、信憑性が高く、取り入れやすい内容が多かったです。
フジテレビ系「ホンマでっか !?TV」でレギュラーを務めた植木先生が書かれた本です。
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
子どもを賢い子に育てたい!それは多くの親御さんが思うことだと思います。
小学生になってから、勉強ができるようになってからではなく、
賢い子に育てるための子育ては、赤ちゃんの時から始まっています。
この本のポイント/部分的に抜粋・要約
子どもの生まれ持った性格には4つの個性がある
「内向的」か「外向的」か
内向的:行動の決定を自らの内側に求めるタイプ。「どうしたの!」「だいじょうぶ?」「何してるの?」と関心のあることに、自分のタイミングで迷わず近づく子。
外向的:自分の感情をさほど重視せず、相手はどうなんだろうと、心を「外」に向ける性質。「だいじょうぶかな?」「何をしているのかな?」と関心を持ちながらも遠巻きにもじもじしている子。
「情緒安定型」か「情緒不安定型」か
情緒安定型:トラブルが未解決のままでも「まあ今はいいか」と結論を先送りする。1つの遊びをしていたかと思えば飽きて他の遊びを始める。お絵かきやお勉強が上手くいかないとパッと諦めて他のことを始める。
情緒不安定型:結論を出さないと気分がよくない。1つの玩具に執着していたり、毎日のように同じ遊びに没頭している。お絵かきや勉強も一つ上手くいかないと次に進まない。
自己肯定感をあげるには、持って生まれた個性を受け入れ認めていくこと。
「抱き癖がつく」はウソ
抱っこを積極的にするほうが、赤ちゃんの発育にとってプラスである。
泣いていたら抱いてもらえた、その経験の積み重ねによって「自分は生きていく価値がある存在なんだ」とはじめて知り、人を信頼し、自分を肯定的に認識する気持ちを育むことができる。
抱かれずに放っておかれがちな赤ん坊は、孤独感と不安感を膨らませ、自立する心が育ちにくくなる。
赤ちゃん時代が終わり抱っこが必要なくなっても、手をつなぐ、肩を抱く、頭をなでるなど、親からのスキンシップを子どもは求めるもの。親が機会を見つけてはスキンシップすること。これは親子関係の向上のみならず、子どもの心身・脳の健やかな発育を促すことに直結する。
幼児期における過保護なほどの愛情表現は、自分への基本的な自信を育み、他者を信頼できる心をつくるためには、必要不可欠。
早期教育が必要というエビデンスは少ない
英語の早期教育は「考える力」を弱める。たとえば、何かを表現するとき、日本人なら日本語という一つの言語を用いて、あれこれ試行錯誤しながら表現する。バイリンガルの機能を持つ脳であれば、それぞれの言葉で表現を掘り下げようとするベクトルが弱くなる。
日本語と英語、その両方で考えることができても、思考そのものが深まらない。物事をしっかり掘り下げて考えられるようになるには、まずは土台となる母国語をしっかり身につけること。
食事のマナーにうるさすぎるのはマイナス
子どもの成長には、食事による「栄養摂取」とともに「リラックス摂取」というものが欠かせない。食事のときに黙っていてもいいという自由度があるほうがリラックス摂取度が高い。食事中は少々お行儀が悪くても、できるだけ楽しく穏やかに。
勉強がどこまでも伸びる子がやっている3つのこと
努力する量で結果が決まると考える「物量志向」
努力する方法が大事だから、その方法を考えながらやっていく「方略志向」
人は環境や条件に大きく左右されるので、なるべくいい環境に自分を置こうとする「環境志向」
ほとんどの人はこの3つのうちのどれかに固着している。
3つの志向を親が意識してうまく使う。
「頑張っているのは偉いけど、やり方を工夫するともっと善よくなるよ」「落ち着いて勉強できるように、もう少し部屋を整理しようか」
子どもにやる気を起こさせる2つの目標
Becomeの目標「テストで100点をとりたい」「大きくなったら先生になりたい」といった具体的な目標。
Beginの目標はそこに向かって頑張って努力している自分のあり方、自分はどういう人間として存在したいのかという、根本的な価値観。「いつも笑顔の自分でいたい」「とにかく努力を続ける自分でいたい」
人はbecomeの目標だけがうまくいっても、beginの目標が伴っていないと心から満たされない。
becomeの目標とbeginの目標をそれぞれバランス良く定め、努力していく。勉強でもスポーツでも。
思うように上達しなくても「お利口だったね」「よく頑張っているね」といった感想を言ってあげる。
「わかる」より、「できた!」の体験が大事
子どもの人生の哲学は、「できる」か「できない」か。幼い頃の「できた!」という体験を「やったね!すごいね!」と共感してくれたり、「できなかった・・・」という体験を「次こそ頑張ろうね!応援するからね!」と励ましてくれたりする大人が周りに1人でもいるということ。そんな存在が発達段階を上がるためには必要不可欠。
「できた」という成功体験の次に「わかった」がある。
「できた」「できない」「勝った」「負けた」という世界を存分に体験できた子どもは、親が「わからないの?」といわなくても、自然と「わかる」「わからない」の世界に関心を抱く。(10~12歳くらいの年齢を待つ必要あり)
親のいうことを聞かない子ども
親のいうことを聞かない子どもは、親が子どもの話を聞いていない。
ふだんのコミュニケーションが重要。
親と子のふだんの接触量が少なければ、不登校のような問題が起きたときでも親のアドバイスを子どもはスルーする。
取り入れ・実践ポイント
「勉強ができる子」とは、「勉強する習慣」を持った子
椅子に座って何かをする「習慣」を持たせる。勉強が得意かどうかは、その子どもが勉強をする「習慣」を持っているかいないかの違いによる。
勉強のできる子は、勉強することがさほど特別なことでない。生活の一部になっている。
できれば小学校に入る前には、とにかく1日の中で何かを描いたり読んだりという時間をつくる。
椅子に座って何か読み書きする時間が1日のうちにある、ということが小さい頃からの生活習慣になっている子は、そのまま小、中、高校生になっても「勉強する習慣」を持ち続けることが分かっている。
「考える力」を養うにはアウトプットの機会を与える
ただ読書するだけでは、人はそれほど「考える」ことをしない。
なぜなら、人がものを考えるのは、読書や勉強のような「インプット」のときでなく、それを誰かに伝える「アウトプット」のときだから。
本なら読書の感想を書かせたり、話をさせる。誰かにアウトプットする機会が与えられたとき、はじめて試行錯誤を始める。
本に限らず、テレビや映画を観たり、博物館などに行ったら「どう思った?」「どれが一番好き?」などアウトプットの機会を与えることが重要。
褒め方
間接的に褒めると効果が高い。
子どもに対して素直に評価できると感じたことはいくら褒めてもいい。
1度褒めたことでも記憶に残るようなモノは、後でまた繰り返し褒めてもいい。
モノやお金で釣ってはいけない
モノやお金を代償として子どもと取引するようなことは、その場においては有効でも、子どもが自ら進んで何かをするための動機付けにはならない。
子どもにしてもらいたいことを、自ら進んでするようになるには、同じ報酬でも、モノやお金でなく、言葉による心的報酬を日頃から与えること。
自発的行動を積極的にとっていた子どもはそうした行動パターンが習慣化され、言葉による報酬が少なくなっても自発的行動が急に減ったりすることはない。
イヤイヤ期
イヤイヤ期に大事なことは、子どもが本当は何が言いたいのか心の声をちゃんと聞いてあげること。
「どうして泣いているの?泣くのをやめてお話ししようか」
イヤイヤ期を乗り越えるには、子どもに対して「お母さんはちゃんとわかっているよ。あなたの話をいつだって聞いてあげるよ」という姿勢でなるべく接すること。
反抗期の子どもを無視してはいけない
女の子は父親に、男の子は母親に対して反抗することが多い。
反抗しながらも、子どもは親にまだ依存して甘えていたいという気持ちもある。無視はそんな子どもの複雑な気持ちを否定することになり、心に傷を残す。
「イライラするのね」「腹が立つのね」と共感する。「何がつらいんだろう?」「お母さんのことが嫌い?」とダイレクトに質問してみるのもあり。
仕事の愚痴は子どもの成長に悪影響を及ぼす
母親は「今日は3歩も歩けたね」など絶えず鏡のようになって子どものことを見守ってあげると、子どもは自分のことをいつも観てくれているという安心感と希望を感じる。
父親は「今の自分は完全でないけれど、やがて成長して父親のように完全体に近づけるんだ」というモデル。
父と母というモデルが安定しているほど、子どもは安心して自己形成がはかれる。
家庭で上司や仕事に対する愚痴をよく喋る父親の子は非行率が高い。
父親の仕事はなんであってもいい。「お父さんは社会に対していい仕事をしている」と思える家の子どもは安定して健やかに成長する。
子どもがウソをついたら、「どうしたの?」と問いかける。
怒るだけでは反省しない。「どうしたの?」は魔法の言葉
「ダメなものはダメ」と指導することは社会に出て行く上で不可欠。その前に、「君は素晴らしい子なのに、そんなことをしちゃって、いったい『どうしたの?』」とそっと肩に手を置いてあげる。
まずは「私はあなたの味方である」ことを表明する必要がある。「また怒ってしまった」「叱りすぎてしまった」とクヨクヨするのは健全な親。怒ること自体がストレスになって当たり前。
論理語で怒らず、感情語で怒る
「そんなことをされて悲しいよ」「すごく心配したんだぞ!」
また、怒るときは、それが本当に子どものことをおもってなのか、あるいは子どもが思い通りに動かないという自分勝手な怒りなのか冷静に振り返った方がいい。
泣く子を無理に黙らせない
ある年齢までは喜怒哀楽すべての感情をおもいっきり出した方がいい。感情を全身で表す行為は、成長過程の一つだから。
感情表現を抑えるように育てたグループよりも、感情を表現させるように育てたグループのほうが思春期うつ率が低く、言語的IQも高くなる。
個人差はあるが、子どもの喜怒哀楽は高校生くらいになれば小さくなる。
「友達親子」になってはいけない
親が子どもと長い時間ずっと一緒にいても、それだけではけっして子育てをしていることにならない。
いくら子どもに煙たがられても、指導的な対応を崩してはならない。
子どもが何かネガティブなことを話してきたときは、親は教訓めいたことを言う前に必ず共感を1度挟む。
おわりに
英語の早期教育に関しては、良しとされる本が多いのですが、この本では母国語をしっかり身につけることを提唱しています。
ただこれは、英語の早期教育をおこなって成功している方々もいるので、やり方次第かなと思います。
この本の中で取り入れたい内容はたくさんありますが、早速実践してみたことは、机に座る習慣です。
お風呂を沸かしている間の十数分、机に向います。
やることは、トランプやUNO、シール貼り、レゴなど子どもがやりたいことをしています。
忙しい毎日の中では、たかだか10数分を捻出することも結構大変です。
でもここが頑張りドコロ。
小さい時に手をかければ後が楽と信じています。
皆さんも、取り入れたい内容が見つかっていたらいいなと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
紹介した本の情報
タイトル: 賢い子になる子育ての心理学
著者 : 植木理恵
出版社 : ダイヤモンド社
著者について
お茶の水女子大学生活科学部卒業。東京大学大学院教育心理学コース修了後、文部科学省特別研究員として心理学の実証的研究を行う。
日本教育心理学会から城戸奨励賞、優秀論文賞を史上最年少で受賞。
現在、都内総合病院でカウンセリングを行い、慶應義塾大学では講師を務める。
フジテレビ系「ホンマでっか !?TV」でレギュラーを務め、幅広い層から支持を得ている。
CHAPTER 01 子育てには「正解」がある
CHAPTER 02 頭のいい子に育てる
CHAPTER 03 子どもの伸びしろを大きくする
CHAPTER 04 子どもを強くする
CHAPTER 05 子育てがおもうようにいかないとき
おわりに