わが子の言葉の発達が遅いようで心配です。
改善方法はあるのでしょうか。
“言葉は子どもへの最良の贈り物”
著者の行った実験では、言葉の発達が遅れそうな10か月の赤ちゃん140人を「語りかけ育児」を行うグループと行わないグループに分け、追跡調査しています。
3歳時点で「語りかけ育児」を行ったグループは遊びや会話の能力がぐんと伸びました。
また、7歳時点で「語りかけ育児」を行ったグループは知能指数が高く、集中力にすぐれ、人なつこいと評価されています。
つまり、「語りかけ育児」で、言葉の問題が起こらないように予防したり、言葉の遅れがある子が同じ年の子に追いつくように手助けできることを示しています!
✔赤ちゃんへの語りかけ方を知りたい
✔子どもがまだ言葉を発しない
✔早く子どもとお喋りがしたい
✔周りと比べてわが子は発話が苦手に見える
✔子どもの会話力を伸ばしたい
はじめに本の紹介
オススメ:0歳~4歳のパパママ
「お話ができるようになるのが多少遅くても問題ないのでは?」という意見もあるかも知れません。
でも、親としては「早く言葉を話してほしい」し「周りより話すのが遅いと不安」にもなりますよね。
実際に、子どもが話し始めるのが早いと、メリットも多いです。
意思疎通が取りやすいので、子どもも親もイライラすることが減ります。
子どもが不調を訴えてくれるので対応もスムーズになります。
息子が1歳の時、耳を押さえて「痛いー」と泣いたので、すぐ耳鼻科へ連れて行き、中耳炎の対応をしてもらえたことがありました。
息子が「痛い」と言えなければ、なぜ泣いているのか分からず、中耳炎が悪化して、耳の水を抜く手術になっていたかもしれません。
お話が上手な子は、お友達とのコミュニケーションもスムーズで、人気者になりやすい傾向もあります。
この本では月齢ごとの赤ちゃんの成長段階、オススメの絵本やオモチャ、気がかりなことまで書かれており、語りかけ以外でもお世話になりました。
著者が実際に見てきた子どもたちの例も多く載っており、言葉の遅れや問題があった子どもたちが「語りかけ育児」によって年齢相当に改善していました。
親の語りかけ方や環境の重要性に気付かされます。
私が読んだ育児本の中で1番分厚く、内容ぎっしりです。
この本のポイント/部分的に抜粋・要約
赤ちゃんの発する音を真似して返してあげるお母さんの子は言葉が育ち、自分の音を真似させるお母さんの子は音を出さなくなる。
テレビやビデオは赤ちゃんに応えてコミュニケーションをとってくれる役割は果たせない。
1歳まではテレビを見せない。1歳以降も1日30分以内にとどめる。
テレビを見せる場合は親も一緒に見て、見たモノを説明してあげる。
まわりが賑やかなときに赤ちゃんが静かになるのは、すべての音を聞き取ろうとしているから。
忙しい家庭では、子どもが長いこと自分1人で何かやっていれば親は大助かり。
その結果、2歳頃になっても口をきかないということもよくある。
赤ちゃんが注目しているモノ、何に関心があるかに気付く。
大人と赤ちゃんが同じモノに注意できるほど、赤ちゃんの言葉は豊かになる。
赤ちゃんに言葉や音を真似させたり、言わせたりしない。
「これはなあに?」など言葉を言わせるための質問はしない。
子どもから話したい気持ちを奪ってしまい、しばらく話さなくなる場合もある。
気が向けば次々オモチャを変えられるように、たくさんのオモチャを置くことは大切。
しかし、多すぎて気が散る環境になることとのバランスを考える必要がある。
子どもが言いたいことをくみ取って、親が言ってあげる。
単語や文が間違っていたときには、言い直させたりせず「そうね、○○ね」と正しい単語で言って返してあげる。
否定的な言い方を避ける。子どもが聞きたくないと思うような言い回しをしないようにする。
遊びに干渉する親の子どもは、子どもの選択に合わせて自由に遊ばせる親の子どもより言語発達のレベルが低くなる。
愛する大人が自分にかかりきりになってくれていると感じると、子どもは自分に自信をもつ。
何とかして愛情を得ようとするストレス(多くの場合はワガママになる)を感じなくてすむ。
親が一緒に遊んであげなければ、子どもはオモチャを使って遊ぶことはできない。
大人からいろんな遊び方を学ぶ機会は重要。
遊んだり、会話を楽しめるようになる前に、文字や数を教えるのは害にしかならない。
ことばが発達すれば、知的能力も伸びる。
9か月頃、わらべ歌はこの時期に最適な遊び。
絵と実物を結びつけられるようになり絵本が「かじるモノ」から「見るモノ」になる。
1歳頃、理解できる言葉は急激に増えるが、話せる言葉はゆっくりと増える。
1歳4か月頃、1日に9語くらい単語を覚えられる。(言葉が早い子の場合)
親は、文法が分かるように正しい文法で話すようにする。
同じ単語をいろいろな文中に使う。
代名詞ではなく名詞をたくさん使う。
「それ、ここにおいて」より「本を机において」の方が良い。
取り入れ・実践ポイント
生まれた日から、1日30分の「語りかけ育児」。
月齢・年齢によって異なる箇所もがあり、本では詳しく説明がありますが、ここではおおまかに紹介します。
毎日30分だけは赤ちゃん(子ども)としっかり向き合う。
きょうだいがいる場合でも1対1の時間を作るようにする。
赤ちゃんは、聞きたい音にだけ集中し、聞きたくない音を無視する能力が低いので、部屋はテレビもラジオもかけず静かにする。
お母さんが何か言います。間を置いて赤ちゃんに返事の時間を与えます。赤ちゃんが間をおいたら、お母さんが返事をします。
短く簡単な分で、言葉の間にゆっくり休みを入れて話しかける。
質問や指示はしない。子どもが興味を持っていることにだけ話す。
親は、長すぎる文章や、早口で話さないように気をつける。
絵本の読み聞かせをこの時間に行うこともできる。
おわりに
大人の関わり次第で、子どもの発話力は劇的に変わるようです。
わが家の長男は、毎日30分時間を決めて話していた訳ではありませんが、語りかけ育児を意識して1対1で話す時間は多く取れました。
その結果、話し始めるのも同年齢の中では早く、会話が得意になりました。
次男は、1対1で話しかける時間が少なく、長男が初語を発した時期にまだ言葉が出ていません。
やはり、語りかけの時間は大切だなと感じました。
またコツコツ次男との会話時間を作っていきたいです。
皆さんも忙しい毎日をお過ごしだと思います。
その中で、この時間は子どもと向き合おうと時間を作ると、子どもの可愛さを再確認できると思います。
正直、1人に30分はかけられてませんが、ちょっと時間がある時に、1人1人に集中してあげると子どもは嬉しそうです。
皆さんもお子さんと「語りかけ育児」の時間を楽しめますように。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。
紹介した本の情報
タイトル: 0~4歳わが子の発達に合わせた「語りかけ」育児
著者 : サリー・ウォード
監修 :汐見稔幸
出版社 : 小学館
著者について
イギリスの言語治療士の第一人者。
国営医療サービス事業所で言語障害児を担当する言語治療士としての20年間の研究から考えられた、「語りかけ育児」が乳幼児の心と知能を無理なく伸ばし、コミュニケーション能力を育てる21世紀の新しい知育方法としてイギリスをはじめ世界各国で注目を集める。
2002年6月急逝。
0か月から満3か月まで 生まれた日から始められます
3か月から満6か月まで ことばのリズムが大好きです
6か月から満9か月まで いろいろな音を聞かせます
9か月から満1歳まで 身振りを使いましょう
1歳から1歳3か月まで 魔法のように、初語が出ます
1歳4か月から7か月まで 質問や指示はいけません
1歳8か月から2歳まで ことばをふくらませましょう
2歳から2歳5か月まで 聞くことは楽しい!
2歳6か月から3歳まで おもしろいことはすぐ覚える
3歳から4歳まで こどもの努力をほめてあげます
4歳になりました こどもは会話の達人です
おわりに