子供を叱ってばかり、何とかしたいです。
今日も子どもに怒ってばかり。その後自己嫌悪してしまう。
子どもの困った行動は、親の関わり方次第で変わるかも知れません。
✔子供を叱ってばかりいる
✔子供にイライラしてしまう
✔子供の困った行動を何とかしたい
✔子育てを楽しめていない
はじめに本の紹介
オススメ:0歳~小学生のパパママ
子供が赤ちゃんの時には怒ったり叱ったりすることもなく優しく話しかけていた、穏やかで幸せな日々を送っていましたよね(遠い目)。
子供が動き回るようになり「何でも触る」「何でも口に入れる」ようになってから、もしくは2歳前の自我を持ち始めたいわゆる「イヤイヤ期」から子供のことを叱ってばかり、ということはありませんか。
パパもママも怒りたくて怒っているわけではないはずです。
本当はニコニコ微笑む優しいパパママが理想ですよね。
分かります、それでも怒らずにいられない現状。
怒られることしかしない子供と、どう接すればいいか。
この問題が上手くいけば解決する、そうでなくても、状況が緩和するヒントが書かれた本です。
こちらは文庫本なのが嬉しいです。軽くてかさばらず、持ち歩いて通勤中でも読むことが出来ますよ。
著者の須賀さんは保育士をされながら本当によくお子さんを見ていた方なんだろうなと思います。
幼児教育に携わったり、保育園に子供を預けている立場から見て、本当に子供思いな方だと感じます。
実際に保育園で担当していた子供達の具体例もあり分かりやすいです。
この本のポイント/部分的に抜粋・要約
大人が叱り、子どもが従わない状況がエスカレートすると、そのお母さんたちは大きく分けて3タイプに分かれる
・叱ってばかりだったり、ガミガミと怒りんぼうになってしまうタイプ
・疲れてしまったり、うんざりして積極的に関わらなくなってしまうタイプ
・子どもが自分の手におえない状態になることをあらかじめ回避しようと、いいなりになりや甘やかしになってしまうタイプ
否定的な言葉(「ダメ!」「早く!」など)を言われ続けていると、大人の言葉をスルーする習慣がついてしまう。
結果的に子どもが大人への信頼感を失い「言うことを聞かない子」になる。
「危ないからダメ」と伝えるより、「それをされると困ります」と伝えた方が、「大好きなお母さんがして欲しくないと思っている」と子どもも感じて、やらなくなる。
「叱ることありき」は「否定」「規制」「制止」「禁止」「指示」「支配」の関わりのオンパレード。
「過保護や過干渉」、「子どもの自己肯定感の低下」などをまねく。
悪意の無いことへの「否定」は子どもにストレスを与える。
「叱る」ことは大人にとってストレス解消作用があり、クセになる。
繰り返されると叱ることが押さえられなくなり、必要の無いところでも叱ることを止められなくなる。
「ダメ」「うるさい」「あぶない」など言い過ぎていると言っても聞かなくなる。
道路に飛び出すなど、本当に危ないときにだけ「あぶない」と言う。
子どもは遊んでいる途中でも大人の様子を確認してくる。そのときに大人がきちんと見ていると、子どもは安心して遊びを続けられる。
片付けを身につけさせるなら、その前に、しっかりと遊べることを身につけさせた方が良い。
「にぎやかし」(遊具を投げたり、オモチャを箱から出して散らかすだけ)の段階にいる子であれば片付けに取り組むことはできない。
まずは子どもと一緒に大人も片付けをする。子どもが1個でもしまえたら「ありがとう」「持ってきてくれて助かるよ」と関わっていく。
保育園に長時間預けることが当たり前になっている。そんな現代において「受容」というプロセスに無頓着なままでは、子どもはまっすぐに育たなくなっている。
「受容」とは、甘えを受け止めることだけではない。
「かわいいねー」「大好きだよ」と伝えたり、子どもと過ごす時間を大切にして絵本を読んであげたりすることも立派な「受容」
子どもが要求する → 大人がそれに応える
これは実は子どもの満足度が高くない。「大人の方から」能動的に関心を持ってもらったり、見てもらったりということを欲している。
子どもはみな ひとつの「容れ物」を持っている。どんな子も「容れ物」にたくさんのプラスのものを入れてからでなければ、マイナスのものは受け付けられない。
プラスのもの:親に優しくされたり楽しいコミュニケーションやスキンシップをしてもらったり、子どもとして喜ばしい経験のこと。
マイナスのもの:叱られることや怒られること、我慢すること、誰かに自分のモノを譲ってあげたり、苦手なこと・新しいことに挑戦してみたりすることなど。
「容れ物」にプラスのものがたくさん入った、満たされた状態の子どもは、素直でかわいらしい姿を見せてくれる。大人からして関わりやすい、育てやすい状態でいてくれる。
ネガティブな感情は伝わりやすく、ポジティブな感情は伝わりにくい。自分の表情をチェックしてみる。良い感情を分かりやすく出せると、子どもは安心して過ごせる。
取り入れ・実践ポイント
子どもが困ること、イヤなことをしたら、「そういうことをしたらママ困るな」「悲しいな」と小さい子どもにも言葉で伝える。
その前に「楽しいね」「嬉しいね」などプラスの感情を共感し合い、心のパイプをつなげていく。
苦手な食べ物も食べてほしいときには、「ちょっとだけでも食べてくれたらママ嬉しいな」
手伝ってほしがる子には「ちゃんと見ててあげるから、自分でできるところまでやってごらん」と言って見守る。できたところまでを認めて、できなかったところは「大きくなったらできるようになるからいいんだよ」
「うるさい」ではなく、普通に教える。
「あんまり大きい声だと耳が痛くなっちゃうよ」
「お部屋の中では普通の声でしゃべるんだよ」
「図書館では小さな声にするものなんだよ」
子どもが、怒りながら何かを大人に要求してきたとき
「怒りながら言われたらやだな~。かわいく○○して~って言ってね」
「もっとニコニコして言ってよ~」
子育てを好転させるための具体策、親の方からこどもを「くすぐり」。
できるときにだけでも「くすぐり」をして親子で笑い合える、楽しめる時間を作っていく。
子どもがネガティブな行動を出したときは「あなたのことは好きだけど、○○するのは好きじゃありません」と行為は否定するけど存在は否定しない。
おわりに
忙しいパパママにはありがちだと思うのですが、子供に「見てて」「絵本読んで」「遊んで」と言われたタイミングでこたえる。親は労力と時間を惜しんで子供と接しているつもりです。でもこれだけでは子供は満足しないんですね。親の方から関わっていくと子供は満足するのだそうです。
この本で紹介されている「くすぐり」本当に喜ばれます。「もう一回」「もう一回」とエンドレスですよ。ぜひお試しください。
どれくらいの愛情(関わり)で満足するかは、その子が持って生まれたもの(本の中では「容れ物」”クッキー缶”のサイズで表されています)次第のようです。
皆さんのお子さんはどれくらいの大きさの「容れ物」”クッキー缶”を持っているでしょうか。
クッキー缶をいっぱいにして、かわいい子どもの姿を見せてくれますように。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。
紹介した本の情報
タイトル: 保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」
著者 : 須賀義一
出版社 : PHP文庫
著者について
大学で哲学を専攻するも人間に関わる仕事を目指して、卒業後、国家試験にて保育士資格を取得。
その後、都立の公立保育園にて10年間勤務。子どもの誕生を機に退職し、主夫業の傍ら保育、子育てについての研究を重ねる。
その1 「叱らなくていい子育て」ってどんなこと?
その2 叱ることがやめられなくなってしまう理由
その3 「叱らなくていい子育て」はこんな時に使う
その4 すべては子どもを受け入れることから
その5 満たされた子どもは手がかからない
その6 満たされた姿の子ども、満たされない姿の子ども
その7 難しくなってしまった子育てを安定化させていく方法
その8 子育てを好転させるための具体策
その9 弱い大人と強い大人
その10 あなたは自分が好きですか?
その11 あなたはいま、どんな顔をしていますか?
その12 子育てのハードルを下げてしまおう
その13 大変な時間は乗り越えられる
その14 子育てを通して自分を好きになる